以前の記事で
PFC管理式ダイエットを最強のダイエット・食事管理方法としてご紹介させてもらった。
簡単に説明すると
一日に必要な消費カロリーをその人の基礎代謝と運動活動量から計算する。
そして摂取カロリー<消費カロリー の状態を作り出して、長期的に無理なくダイエットしようという方法だ。
結局、ダイエットが上手くいくかって
身体が必要としている消費カロリーと実際に食べた摂取カロリーのバランスで決まるってこと?
そうやな。ほんで運動するかしないかで1日に身体が必要なカロリーは大幅に変わってくるんやで。
はい。食事ももちろん大事ですけど、運動も大事です。
その中でもロードバイクの消費カロリーは頭ひとつ抜けてるんですよ。
有酸素運動の極みともいえるロードバイクはその消費カロリーもなかなか高い。
ツールを走るトッププロの消費カロリーは衝撃的だ。
どれくらいかというと
たこ焼きを食べてる時、タコが入っていない個体に遭遇したくらいの衝撃だ。
今回はそんなロードバイクを中心に
各運動に応じた消費カロリーにスポットを当ててみたい。
*今回の記事はPFC管理式ダイエットをアスリート(特にロードバイクに乗っている人)に最適化するのが目的です。
時間があればこちらの記事も読んでもらえると理解が深まるよ(/ω\)
消費カロリーの計算方法
消費カロリー=その人が実際に必要となる1日のカロリーだ。
基礎代謝は1日じっと過ごしている場合のカロリーだが、人間誰もが何かしらの活動を行っているわけなので、その活動の頻度、強度を考慮した1日の消費カロリーを推定していくことになる。
そこで活動系数量なるものを使う必要がある。
活動の頻度、強度が上がれば活動係数も大きくなると単純に考えて欲しい。
今回は競技別の活動系数量を考えていくことがメインテーマになる。
例えば僕の場合は基礎代謝量は約1500なのでここに活動系数をかける。
ほぼ毎日トレーニングをするので非常に激しい活動(非常に重労働または運動選手) をしている人用の活動係数1.9を使おう。
1500×1.9=2850が僕の1日の消費カロリーとなるわけだ。
アスリートの活動量係数を考える
アスリートと一口にいっても野球、サッカー、陸上、水泳、そして自転車競技等など、競技種目ごとに身体活動量の継続時間と強度は変わってくる。
またオフシーズンで練習量が少ない場合とシーズンが始まり試合が続いていく場合も身体活動量には差が出てくる。
実は様々な研究者が種目ごと、時期ごとの身体活動量について提唱している。
よって絶対的な指標というものはまだ存在しないのが現状だ。
そんなカオスな状況だが、シンプルで分かりやすいものを紹介させて頂こう。
この活動係数を紹介している論文によれば、
全スポーツ選手が、活動係数量2.2以下に75%が分布していると述べており、平均値は2.03としている。
そしてオフトレーニング期を、選手としての最低限の体力維持のための軽めのトレーニングをしている時期と定義している。
これらを踏まえて、
全ての競技のオフトレーニング期は、一般人向けの食事摂取基準における身体活動レベルが比較的アクティブな代表値1.75を採用
それよりもエネルギー消費が激しい通常トレーニング期においては瞬発系および球技系種目の基準を2.0として
身体活動レベルが長時問続く持久系種目は2.5を基準値としているようだ。
ロード競技をしている僕は持久系のアスリートだ。
オフトレーニング期:1496×1.75=2618
通常トレーニング期:1496×2.5=3740
すき家のキング牛丼でさえ3000kcalなので思っているよりも必要カロリーは多いのだ。
やったー!いっぱい食べれる♡
ちなみに1日150㎞レースを数週間闘うツール中のワールドツアーの選手の活動係数量は4.3~5.3という値で設定される。
もし僕がツール走ったら…
1496×5.0=7480kcal
えぐすぎる。ビッグマック何個食わなあかんねん。(‘Д’)
プロは食べることも仕事なのだ。
ちょい待ち!ということは・・・
運動すればするほど消費カロリーは無限に上がっていくんか?
なかなか鋭いやん。ちょっとそのあたり深堀りしてみよか。
ヒトという生き物は運動活動量が多ければ多いほど、消費カロリーも比例的に大きくなっていくのだと思われがちだが、実はそうではないことが最近判明してきている。
アメリカの西海岸から東海岸までを横断する『race across the USA』というイベントがある。
これは140日間かけて5000㎞を走破するというもので
ランナーたちはフルマラソン116回分にあたるこの距離を週6日のランニングを行うことで達成するらしい。
この狂気じみたイベントの中で
レースの最初の週では活動係数量は3.76となり体脂肪率、体重がともに減少したが、
その後5か月間の間、ほぼ毎日フルマラソンを走っているにも関わらず、活動係数量は2.5程度に落ち着くようになったのだ。
他にこんな研究結果もある。
200万年前から続く狩猟採集を続けている民族と、我々のような近代的な生活を送っている人間はともに総エネルギー消費量は同等であるらしいのだ。
狩猟採集民族は1日に12時間も獲物を追うという身体活動があるにも関わらずだ。
このように長期間、一定の身体活動量を超えた場合、消費エネルギーは比例せず制限されていくというのが今の通説だ。
このことは制限的総エネルギー消費量モデルと言われている。
なぜこのような代謝制限が起こるのかはまだまだ研究中のようだ。
仮説としては
運動にエネルギーを持っていかれるなら生殖に関わるエネルギーを制限したり
他強度の弱い運動にかかるエネルギーを制限したりと、
高強度の運動にエネルギーがかかるなら、他にかかるエネルギーを極力省エネで運用することでつじつまを合わせているのではないかというものが有力らしい。
趣味でお金がかかるから、食費を節約しようと同じ発想だ。(ロード最近値上がりしすぎ)
やりくり上手なおかんって感じやな・・・
人の身体って不思議ですね・・・
いずれにせよ、我々アスリートは減量を考えるとき、エネルギーバランスをマイナスにしなければならないが、
激しい運動を加えて消費エネルギーを増やすよりも、食事を工夫して摂取カロリーを減少させることに注力する方が効果が高くなりやすいということは覚えておいて損はないだろう。
ロード乗りが設定すべき活動係数量
以上を踏まえて先ほどの活動係数の話に戻る。
結論として、週4日以上ロードバイクに乗ってトレーニングも行うという競技勢は活動係数を1.75~2.5までの間でトレーニング量に沿って調整していくといいだろう。
全スポーツ選手が、活動係数量2.2以下に75%が分布していること
運動歴が長くなると活動係数は落ち着くことから
面倒であれば、個人的には常に2.0を指標にしてしまって構わないと思う。
アスリート中でもロードバイク乗りは活動係数を高めに設定すべきなんやな。
激しい有酸素運動を伴うロード競技者における理想のPFCとは
糖質を多めに摂取しよう
ここまで読んで頂いた方はきっと取るべき総カロリーの目安が出来ただろう。
せっかくなので話はここで終わらせず
その総カロリーを激しい有酸素運動を伴うロード競技者はどのような栄養配分(PFC)で取るべきかについて説明していく。
基本的にはこちらのPFCバランスで実施すればよい。
これをそのまま使ってしまってもいいと思う。(PFC管理式ダイエット参照)
ただロードバイクは糖質(炭水化物)をエネルギーに変える場面が多い。
運動強度が高強度になればエネルギーであるATPを作り出す過程において糖質はより重要となる。
練習頻度が多い方、ロングライドに出かける機会が多い方は炭水化物を多めに取るPFCバランスにしよう。
アスリートのための糖質摂取に関するガイドライン(2003)によると体重1kgあたり持久系アスリートは7g~10g程度の摂取が推奨されている。
とはいえ、僕の感覚ではこの量の炭水化物を取るのはけっこう大変だ。
体重が60㎏だと60×7=420gでご飯を毎日3合は食べないといけないことになる。
他の炭水化物ではどうかというとやっぱり大変だ。
炭水化物だけでお腹いっぱいになってしまう。
そこで、3食の炭水化物は通常と同じように摂り、補給食にようかんやおにぎりなどの炭水化物を積極的に摂るようにする方法を推したい。
また炭水化物を多く摂ることで総カロリーがオーバーにならないように
たんぱく質の摂取を気持ち減らして1.8g/体重1kgくらいにして脂質も総カロリーの25%は超えないようにする。
このPFCバランスにすると僕は非常に調子が良かった。
ロードバイクを積極的に楽しんでいる人は
たんぱく質を少し減らして炭水化物を多く摂るPFCバランスにすることをおススメする。
PFCバランスを実際に数値化してみよう
参考文献と自分の実体験から
僕が指標にしているPFCバランスは以下のようなものになっている。
カロリー換算するとたんぱく質,炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は9kcalなので
僕の場合(体重60㎏基礎代謝1500kcal)だと
g換算すると
このPFCバランスで日々の食事を取ることが出来ればOKだ。
まとめ~ロードに乗る人の活動係数とPFCバランス~
・自転車を漕ぐという動作は想像以上に身体に負担がかかっている。
・有酸素運動の中でも活動強度が高い分類に入る。
・それにより、エネルギー源である炭水化物の重要性が増してくる。
結論
一般人はもちろん他アスリートよりも活動係数は高めに設定すべき
結論
PFCバランスはたんぱく質をやや落として炭水化物を多く摂るべき
これらを指標にして食事管理をしてみて欲しい。
ただし、あくまで指標である。
体質は人それぞれだから、自分に合わなければ、試行錯誤が必要だしその過程が面白いと思う。
その時にこの記事が参考になれば嬉しい。
筋肉も臓器も、ヒトの細胞は食べたもので構成される。
毎日の食事もトレーニングと思って改善していくと
長い期間でみると絶大な効果を感じることが出来るようになるだろう。
お互いに楽しく頑張っていこう。
それではまた。
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