【ハイエンド不要?】フレームの価値について考察してみた。

機材

どうもあむさんです。

皆さんはこんな疑問が浮かんだことがあるだろうか?

あむさん
あむさん

ハイエンドフレーム買ってほんまに速くなるんか?

けっこうハイエンドとセカンドグレードでは値段差があるもんね。

チャリチャリ
チャリチャリ
鹿さん
鹿さん

仮に差がそこまでないならセカンドグレードの方がコスパよくね?

私の現相棒はS-Works Tarmac SL7だ。

実は、今のハイエンドのS-Worksフレームに乗る前にセカンドグレードのTarmac SL7に乗っていた。

セカンドグレードである無印のTarmac SL7の感触があまりに良すぎて、S-WorksTarmac SL7に乗りたくなってしまったという訳だ。

今回はその経験から『セカンドグレードとハイエンドフレームの違い』について考察してみたいと思う。

結論から言おう。

性能差は小さい。ただ決して埋まらない有意差が両者にはあった。

各メーカーのフレームの価格差

ハイエンドフレームでは、一般的に最軽量かつ最高の剛性と強度を兼ね備えたカーボンファイバーのグレードが使用される。

これらの素材は、コストが高く、加工がより難しくなるため、フレームセットの価格を押し上げる。

一方、セカンドグレードでは、やや重量が増加するか、強度が低下する可能性のある、低コストのカーボンファイバーが使用される。

形状は同じであるため空力性能は同じであることが多い。

フレームセットとして販売されているのは、ハイエンドのものが多くセカンドグレードのフレームセットは販売しているメーカーは限られている。

各メーカーのフレーム価格差

【GIANT】
TCR ADVANCED SL FRAME SET  ¥495,000
TCR ADVANCED PRO FRAME SET ¥308,000


【Bianchi】
SPECIALISSIMA RC        ¥792,000
SPECIALISSIMA PRO \638,000

【Cannondale】
SuperSix EVO LAB71 ¥850,000
SuperSix EVO Hi-Mod ¥620,000

現在販売されているバイクの例を載せてみた。
各メーカー約20万円ほどの価格差があるのが分かる。

この20万円の価値がどこにあるのかを私なりに考察していきたい。

一般的なハイエンドフレームのインプレ

私も自分が気になるハイエンドバイクのインプレをたくさん見聞きしてきたが、大体こんな感じだろうか。

よくあるハイエンドフレームのインプレ

・漕ぎ出しのペダリングが軽い
・反応がいい
・登りが軽い
・セカンドグレードよりも硬くて足が疲れる

表現を変えて書いてあるが、どのバイクのどんな記事も大体このあたりの結論に収束している。

そもそも、インプレッションはあくまで主観である。(メーカーの客観的なデータも眉唾ものも多いが…)

宣伝効果も含まれているから冷静に受け止めるようにしている。

ぶっちゃけた話、実際に自分が所有して一定期間、幅広い出力でトレーニングやレースを走りこまなければ、バイクの印象なんてただでさえ曖昧なものは見えてこないと思っている。

もちろん私のインプレもあくまで参考に聞いて欲しい。

ただ、それぞれのグレードを数年乗り込んで感じた印象だ。
色々な道を走った。

『セカンドグレードとハイエンドフレームの違い』は何か?

ホビーレーサーの私の個人的結論は出たと感じている。


私の考えるハイエンドフレームの価値

比較対象のスペック


比較対象は私が実際に使用しているS-WORKSとPROグレードのフレームだ。


PROグレードのフレームには、S-WORKSグレードに使われるFact12からワンランク下げたFact10カーボンを使用している。


メーカーによると使用するカーボンレイアップと素材違うが狙っている剛性は同じでハンドリング性能やライドクオリティーは変わらないとされる。
カタログ値でS-WORKSフレーム重量は800g、PROグレードは920gとなっている。

フォーク重量の公式記載はなかったが400g弱でグレードによる違いはない。
ステムも専用ステムでS-WORKSフレームに附属するのがネジがチタン製になる程度なので同一としたい。
単純にフレームのみの違いということだ。

特徴S-WORKSグレードPROグレード
フレーム素材Fact12カーボンFact10カーボン
ハンドリングと乗り心地(メーカー主張)PROと変わらないS-WORKSと変わらない
フレーム重量800g920g
フォーク重量約400g未満(グレードによる違いなし)約400g未満(グレードによる違いなし)
ステム両グレード共通の専用ステム両グレード共通の専用ステム

ライドクオリティーは変わらないということであったが

やはり乗り比べると違いはあった。

セカンドグレードの完成度が高すぎた

ハイエンドであるS-WORKSとの比較をする前に、一つ断っておきたいのだが、セカンドグレードの性能が低いと言いたいわけではない。

むしろDISC化が進んでからの最近の各メーカのー完成度はめちゃくちゃ高い。
ハイエンドに乗らなくても十分にレースでも戦える。

このターマックも例外でなく、すべてを征す一台というキャッチフレーズそのままに登りも平坦も
かなり高いレベルでこなすことが出来た。

ターマックの最大の長所だと感じているのが、高ケイデンスでも推進力が弱まることがない点だ。

他のフレームでは拾ってくれないような少さいトルクでも、フレームが推進力に変換してくれる。前に進む感触が非常に強いバイクだ。
この辺りは当ブログでエルブスバイクの比較インプレの中で紹介している。

https://www.lanchester-climber.com/wp-admin/post.php?post=75&action=edit

ハイエンドで感じるフレームの個性がセカンドグレードにもきちんと備わっていた。

セカンドグレードであろうとハイエンドのライドクオリティーと変わらないというメーカーの主張はなるほど。正しかったのだ。



このバイクでヒルクライムやロードレースに出場したが、表彰台の1番上にも立たせてくれた。

ちなみにこのフレームの前に乗っていたのはリムブレーキ版のハイエンド SuperSix EVO Hi-Modだ。

当時のSuperSix EVOはエアロ無視の軽量ヒルクライムマシンだったが、重量では不利なはずのヒルクライムもPROグレードフレームの方がタイムが出た。平坦はさらにタイム差が開いた。

数値的な説明は私には出来ないが、主観ではDISCはリムと比べてフォーク周りの剛性感が高く、ダンシング時の推進力が違うのは顕著に感じた。

そのあたりの足回りの剛性が関係しているのかもしれない。

ともあれ、今のセカンドグレードは一昔前のハイエンドを凌ぐほどレベルが高いというのが私の結論だ。(値段も高いけど(‘Д’))

期待したS-Worksだったが…

あむさん
あむさん

セカンドグレードでこれならハイエンド買ったらどないなってしまうんや。
空も飛べるかもしれん。

こういう気持ちになってしまった私はS-WORKSTarmac SL7の購入に至った。

ワクワクした気持ちで乗ったシェイクダウンライド。

その時に感じたことを正直に書くと

『あれ?変わんなくね?』

悲しいかなこういう印象を受けたのだ。上記で紹介した一般的に言われる

・漕ぎ出しのペダリングが軽い
・反応がいい
・登りが軽い

といったポジティブな印象はなかった。なかなかショッキングであったのを覚えている。

これがハイエンドの真骨頂か・・・

しかし乗り込むうちに印象は変わる。

レースや高強度の練習会に参加し乗り込んでいくうち、ポジティブに変化していったのだ。

そろそろ焦らしてきた結論を言いたい。

私にとってのハイエンドフレームの価値は

加減速に強いということ


これだ。

ハイエンドとセカンドグレードの違い

私が感じた決定的な違いは一言でいうなら加速力がより高いのがハイエンドバイクということになる。

それも速度を30㎞→35㎞に乗せていくといったゆったりとした加速やポタリングでの10㎞→20㎞への脚を消費しない加速ではない。

レース中に集団内からアタックを決めるために250wの出力から500wで飛び出す場面。

クリテリウムの90°以上のコーナーで減速した後の立ち上がりで600w以上のパワーで急加速する場面。

最後の力を出し切るスプリント。

このような爆発的な瞬間的加速だ。

前後で速度差、出力差があればあるほどバイクには瞬発力と言ってもいい力が必要になる。

この爆発力の差がハイエンドとセカンドグレードの1番の違いだと感じている。

逆に裏を返せば、一般的に言われているようなフレームが軽量で登りが楽であるとか、フレームの剛性が高くて脚が疲れやすいとか、初速の漕ぎ出し(0発進または低速)が軽いとかは、少なくとも私には分からなかった。

つまり、限られた場面のほんの瞬間的な刹那に機材差が表れることになる。

ただこの場面は、レースをしている人なら理解できると思うが、全てレースの重要局面である。

日本のホビーレースは先頭集団からのふるい落とし合戦がほとんどである。

そんな先頭集団に残れるか否か、ギリギリで表彰台に上がれるかという場面で1m前にいるのか後ろにいるのかでは最終的な結果が天と地に分かれてしまうこともよくある。

あと少しでOO出来たのに!と悔しい思いをするのか、満足のいくレースで終わるのかはいつも紙一重だ。

その分岐点でハイエンドフレームは力を貸してくれる。

文字通り背中を押してくれるのだ。

チャリチャリ
チャリチャリ

99%は同じで1%が違うだけ。でもその1%の違いが大きいんだね。

まとめ

数年間で感じたインプレッション

違いを感じなかった点

・軽量で登りが楽

・フレームの剛性が高くて脚が疲れやすい

・初速の漕ぎ出し(0発進または低速)が軽い

・巡行しやすい

違いを感じた点

・瞬間的な加速力

・なんやかんやカッコいい(笑)


以上が私が数年間、乗り比べた主観をまとめたものである。

あえて今回は主観のみで違いを構成し、客観的な数字は入れていない。

今回は私のあくまで主観という形でとらえて欲しい。

数字も大事だが、私は自分の感覚も大切にしている。

ハイエンドフレームを購入するべき人

フレームのグレードには確かに小さくない価格差がある。

性能差は小さい。ただ決して埋まらない爆発的な加速力という有意差が両者にはあった。

ハイエンドを購入するべき人

・プロアマ問わずレースに真剣に取り組んでいて、1秒でも削りたい。

・レース中の大事な場面で有利になる要素を1つでも多くしたい。

このような方はハイエンドバイクの加速力という価値に見合う投資価格になるかと思う。(私も購入して後悔はない。)

逆に、レースには出ない方や加減速を必要とするレースが主戦場ではない方(富士ヒルクライム等)
は無理して購入する必要はないと感じる。

先ほども書いたが、最近のセカンドグレードは非常に完成度が高い。

充分にロードバイクを楽しむことが出来ると思う。

皆さんの機材に対しての考え方の助けになれれば嬉しい。

それでは、また。

ちなみにハンドルは両フレームでこれを使用。コスパ抜群。

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